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知識の共有
NetNewsをよりうまく使う雑学色々
- 総目次
- 色々な話題で知識を交換・共有する場所として「ネット・ニュース」というものがあります。
- 「ニュース」と言っても報道機関が業として記事を配信しているのではありません。個人同士が質問や回答、報告、閑話といったやり取り通じて知識を共有する公開の場です。(a sample image) 似たような仕組みや場所としては、駅の伝言板から部室の落書き帳に始まり他にも色々ありますが*1、ネットニュースの特長としては、地球規模であること、その地球規模で公開・開放の性格が前面に出ていることが上げられます。地球規模とは、自分が書いたものが世界中に転送され回覧に帰せられるということです。例えば日本語が用いられる「fj」というニュース・グループを例に上げると、それを読んでいる(それが配達されている)サイト(C社やB校といった単位)の数は日本国内より海外の方が多いかもしれません。そして誰がどこで何を書くか分かりません*2。また、ネットニュースを読み書きすることそのものには基本的に料金はかかりません*3。地球規模で人々を結ぶボード(BBS)としてはいまもっとも身近にあるのではないでしょうか。これはインターネット上のサービスの一つです。如何に世界中で読めるようになるかは後述します。
- ネットニュースは話題に応じて2万とも3万とも言われる単位(グループ)に分かれています*4。ネットニュースを読み書きするのには通常、インターネットに接続した状態で「ニュースリーダー」と呼ばれるソフトを用います。どういうグループがあるか、どういうソフトがあるかはそれぞれ後述しました。
- *1 webブラウザーを使ったものもあちこちにあります。そのソフトについては後述します。
- *2 商業利用(宣伝など)に使えるか否かはグループ毎に規定があります。例えば学術目的から出発したfjグループは不可です。一口にネットニュースと言っても、実際は様々なグループの寄せ集めです。(ちょうどインターネットが様々なネットワークの集合体であるように。) グループの配布範囲を社内や学内などに限定することも可能であるし容易です。大学の理工学部などでは昔から学内の情報交換の場所としてローカル・ネットニュースを使ってきました。イントラネットへも活用次第です。
- *3 もちろん色々な人・団体が色々な形でコストを負担しています。インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)経由で読み書きするのなら、たいていメールなどと一切込みの値段になっているでしょう。しかしこれはあくまでもISPに対する施設費人件費です。商用パソコン通信のように、お金を払うべき相手、ネットニュースの管理運営会社・団体があるわけではなく、基本的に世界中のボランティアで運営されています。ただし有料のグループもありますし、社内・学内のグループにはそれなりに管理者がいるでしょう。
- *4 無秩序に分かれているのではなく、分野に応じて階層化(ヒエラルキー)されています。また自分が契約しているISPで地球上の全てのグループが読めるとは限りません。
- 「ネットニュースを快適に利用する為に...」 ネットニュースを使ってゆく上でのさまざまな疑問に答えたもの。三山さんによる。読む人を嫌な気分にさせない寛容の心に満たされた文章。お勧め。
- どんな話題をどこに投稿すべきか、またどんなnews groupsがあるかはfjに関しては「fjのニュースグループの一覧とその解説」に見ることが出来ます*1。japan.*などfj以外の日本語グループについては下述しました。これら以外に関しては
などをのぞいて下さい。
- *1 これの底本は定期的にfj.archives.answersグループに流れます。このグループはFAQの宝庫で、常時目を通すに値しますし、のみならずあなたの得意分野でどんどんFAQを書きましょう。投稿の手引き
- 滝川さんのまとめたfjのホームページです。fjの全体像を見るのにいいでしょう。
- その一頁ですが、fjを流れたFAQ(よく聞かれる質問とその答え)がまとめられています。fjの運営を巡って過去にどのような議論がなされたかを知る上でも役に立ちます。
- ところで、サブジェクトを見て内容が分らない記事は色々不便です。というのも質問には「よくある質問」というのが意外と多いので──これをFAQ(えふ・えい・きゅー)と呼びます──、質問するより前に過去に同じ質問がないか調べればいちいち質問するより手っ取り早く答えを得られることが多いのです。ところがその手掛かりとなる肝心のサブジェクトが「教えてください」では見落としてしまう可能性大です。自分の質問は蓄積されて他人の勉強に資しているということも覚えておきましょう。そして他人の「教えてください」に答えるときも鋭意サブジェクトを内容に即したものに変更して構いません。その際例えば「長寿命の点灯管 (was: 教えてください)」というように元のサブジェクトを(was: ...)以下に入れることがよく行われます。
- なお、FAQとは「そんなことはFAQを見ろ」と言うためにあるのではなく、質問に答える際すぐ答えを引用できるよう、引用の便を図ったものだと考えることが出来ます。このためにも、他人のFAQに対し「俺が書いたものじゃない」と距離を置くのではなく、内容的に問題があれば積極的に干渉しましょう。
- 新しいニュースグループをfjに作る際の手引き
- fjとパソコン通信(例えば NIFTY SERVE)とでは性格が随分と違いますが、NIFTYにおける(一部の)フォーラムの盛況を知っている人から見れば、まだまだこのfjは開拓の余地があるでしょう。あなたが新しいグループを作ることがよい方向につながることを期待します。
なお、ある話をしたいのだが、現在の区割りだと話題が複数のグループに亘ってしまうので一つで済むような専用のグループを新たに作りたいという場合は、新たに作るより複数のグループにクロスポストしたほうがよいこともあります。分化が過ぎると失う面もあります。クロスポストはNIFTYにはない武器。その際はfollowup-to機能も適宜使うとよいでしょう。
- fj とは別の日本語が比較的多く用いられているグループ「japan.*」を紹介した草野貴之さんのページ。グループ一覧を見ることも出来ます。
このページの「その他」の章にはNetNews一般の有用なリンクがあります。
- japanグループが出来るに至った背景の一つ。
- 舟阪淳一さんのjapan.*関連頁では過去記事を読むことが出来ます。
- fjとは別の日本語記事の多いグループ「tnn.*」のホームページ
- fjとは別の日本語記事の多いグループ「kanto.*」のホームページ
- fjとは別の日本語記事の多いグループ「nippon.*」のページ
- fjとは別の日本語記事の多いグループ「okinawa.*」のページ
- ネット・ニュースを使い始めるとすぐ、古い記事が(自分のプロバイダーでは)読めないことに気付くでしょう。記事は一定期日で(あなたが使っているプロバイダーの)ニュース・サーバーから削除(expire)されるのが普通です。webブラウザーで読もうとした記事がサーバーにない場合(まだ届いていないか既に削除された場合)は例えばこんなエラーメッセージが出ます。
News Error!
News host responded: No such article
Perhaps the article has expired
- でも過去記事を保管して公開しているところが幾つかあります。幾つかの米国の検索サービスはかなり強力です。しかしそれに匹敵するものがまだ日本語に対してはないのは由々しきことです。文化活動を保存蓄積(アルシーフ)活用しようという意思がこの国には乏しい。質問一つするにも過去に同じ質問が無いか調べた方が速いことが多い。
- http://www.cs.orst.edu/~takikawm/fj/retrieval.html
過去のニュースの検索サービスを提供しているところを滝川さんがまとめたものです。
- ニュース上のやり取りで「その件は過去のこの記事を見て」と人に言われた際、また言う際にも、その記事を検索できる所を知っておくと便利でしょう。
それには、以前、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)で行われていた NetNews Archive Service Ver.2 の創設者による QUEEN NetNewsSearch が便利でしょう(1999/11現在、1998年より前の記事の検索ができませんが)。
というのも、
- NetNewsの各記事には各記事固有のMessage-ID(シリアル番号と同じ役割)がついており、それを示せば特定の記事を通常確実に示せるのですが、ここはこのMessage-IDで特定の記事を引くのに便利なのです。(ただしfjの分だけ。fj以外には米国のwww.dejanews.comを。) 「サービス」の下の「検索」のページに進んでください。幾つか項目がありますが、Message-IDで引く場合はそれだけを入れれば、日付も含めあとは空白で構いません。
- 最近 (2 週間以内)の japan.* や fj.* の記事であれば、OPEN-NEWS で探すのも便利です。
- あるいは、上記のようなwebによる検索サービス(アーカイブ)に頼らなくても多くのnews readersはMessage-IDによって(自分の使っているニュースサーバーから)記事を引くことが可能です。特にWindowsやMac用のものは記事文中のMessage-ID部分をクリックまたはダブルクリックするだけでその過去記事を即座に呼び出せるものが多くあります。(サーバーに記事が残っていなかった場合は検索サービスを利用すればいいでしょう。) 例えばWinVNを使っているのなら(特に色が付いているわけではないですが)ダブルクリックしてみてください。また更にはForte Agentやoffline WinVNでは、自分の手もとのハードディスクに貯め込んだ過去記事に対して検索することも出来ます。これはNetNewsを情報源として保存している人には欠かせない機能でしょう。
- つまり人に過去記事を示す際はMessage-IDを示せばよいのです。
- そうすればごちゃごちゃ引用して読みにくくなるのも時に避けられるでしょうしニュース伝送資源の節約にもなります。Message-IDは両端の括弧< >を含みます。即ち
<51fqj9$lnh@wise31.mn.waseda.ac.jp>のような形です。
- あるいは、<と>を取り「news:」を冠して
news:51fqj9$lnh@wise31.mn.waseda.ac.jpのように書くことも出来ます。この場合もForte AgentやNetscape Navigator、MS Internet Newsなど幾つかのニュースリーダーではクリックするだけでその記事を呼び出せます。この書式をURL形式と呼びます。(ブラウザーに「http://うんたら」の代りに与えて見よ。) なお、記事文中にhttp:などURLを書くときは前後に改行か空白(半角スペース)を入れましょう。さもないと前後の文章との境がどこなのだか判別できないnews readersがままあります。URLは変なものとなり、クリックしても読者は目的のページにたどり着けないでしょう。
- Message-IDとは別に各記事に番号(group単位で連番の)が付いているのを目に出来ますが、これは各news server毎に全く違いますので、他所のサーバー(プロバイダー)で読んでいる人には全く参照の用をなしません。(間抜けな話)
- 過去記事検索と言えば米国のwww.dejanews.comは非常に強力なのですが日本語記事はどうしようもなく化けてしまいます。www.altavista.digital.com(ここは最近の記事しかないが)も、「B」か「L」で読まないと化けてしまいます。これに関しては過去こんな投稿をしたことがある。原因はこのように推測されます。DejaNewsで検索してJAISTで読むという何やら情けないこともよくする。提案あるいは飯の種
- 質問をして、懸案が解決した後は、どうやったらうまくいったのか顛末を報告しましょう。必要なことだけ聞いて後はさよなら、あるいは「皆さんありがとうございました」では、知識の蓄積の用をなしません。
- RFC1855「ネットワーク・エチケット(ネチケット)」の日本語訳。高橋さんによる。
- 「電子ネットワーク事業における倫理問題に係る自主ガイドラインについて」へのプロテスト
- 藤本さんによる「DOS/Vマガジンのヨタ記事」
- ネットニュースと日本語についての一考察
- 「ヘッダーとは何ぞや?」 あなたの記事の普段目につかないところにはこんなことが書かれている
- PGPと日本語ニュース/メールをめぐる一つの動き from DeleGate ML
- サブジェクトを日本語で書くと...
- 記事の差出人名(From:)や署名に、パソコン通信でよく見られる習慣である、ハンドル・ニックネームを使う人がたまにいます。これはネットニュースの慣習に反しますが、そもそもいいとか悪いとかいう──母親じゃあるまいし他人にとやかく言われる筋合いの──ことではなく、男子の器量の問題だ。
- 全ての記事が漏れなく届くわけではありません。fjの記事を早稲田大学で読んでいてもたまに抜けがあります。ましてや届く順序など投稿の後先とは一致しません*1。
fjなどインターネットのNetNewsは、ネットワーク上、世界中のニュース・サーバー間をコピー・転送されてゆくことで初めて世界中で読めるようになります。(この間行く先々でネットワーク帯域、サーバーのCUP使用時間、CPU負荷、ハードディスク等を消費する。ニュースの配送はプロバイダーにとって決して軽い負担ではない。)
その際「日本」から「海外へ」配送されるというわけではなく、例えば早稲田で投稿した記事が延々と海外を回って漸くbekkoameに届くこともごく普通です(see Path)。ひいては自分が読んでいるものと他人が読んでいるものとが異なっている(例えばSJISで送ったため途中で文字化けした)、しかもそれなのに書いた本人は気付かない、ということもあります。単一のセンターに原文があるパソコン通信とは、使われる文字コードだけでなく配送の仕組みでも違うのです。
- *1 だからそのままだと話の前後関係がめちゃくちゃになる。それを読み手側で再構成する仕組みがthreading(スレッド)。
- 記事は投稿してすぐ読めるようになるとは限りません。自分の投稿先のサーバーにおいてだろうと。同じ記事を何度も送信しないように。特にoffline readersの場合、起きがちです。(それを避けるためMessage-IDをクライアント側で生成するのも一理ある。)
楠 哲士 Satoshi KUSUNOKI, 橋本 純一 HASHIMOTO Jun'ichi
オリジナルの筆者は、楠さんですが、移転に伴い窓口は、橋本 純一 となりました。
問い合わせ等のメールは、橋本宛てに。