Forte Agentのインストール時の注意点やその他役に立つであろうことを幾つか述べます。

以下Forte Agentを元に説明しています。Forte Free Agentには該当する機能が無いなどの理由により当てはまらないこともあります。両者の違いは先に説明しました。

  1. Forte Agent .99gからForte Agent 1.0への変更で特に設定を変えるべきところはありません。ただ、Message Paneのサブジェクトが表示される行で差し出し人名が日本語で書いてあると文字化けするので、agent.iniに

    [View]
    OldStyleBodyHeader=1
    を加えてください。agent.iniを編集する際にはAgentは終了させてある必要があります。

  2. Forte Agent .99gから「launching URLs」──日本で「clickable URLs」と呼ばれるもの──が加わりました。Netscape NavigatorやMS Internet Newsでニュースを読んだことのある人ならご存じのように、あたかもhtml文書のように、普通の記事文中のURLがクリックできる状態で表示される(クリックすればそこに飛べる)のと同じです。(Agentの標準設定ではダブルクリック。) ただし日本語記事では、URLでないところがURLと誤認され、情けないことに本文の所々が下線付きの緑色になってしまいます(色自体は変更可能)。(これは日本語コードに多数含まれる @ をMessage-IDないしメールアドレスの腰部と誤認しているため。) しかしこれは下村真也氏(shimo@val.co.jp)より、次のように設定することで概ね回避可能とのご教示を得ました。(後記: Agent version 1.5での解決法は小吹茂氏がfj.news.readerに書いています。感謝。) 小生に教えて下さったこと、そして広くAgentユーザーの便宜を図りたいと意思されここでの紹介を快く認めてくださったことに感謝いたします。

    設定ファイルagent.ini中に

    [URL]
    Pattern6=うんたら
    という行がありますが、これを以下のように変更します。(Agentを起動してない状態で変更する。)

    Pattern6="(^|[>|:< \t\(\[{"])(url:|URL:)?((([a-zA-Z][a-zA-Z0-9.+\-]+:|www\.|WWW\.|ftp\.|FTP\.)[^ \t<>"{}|\^`()[\]]+)|[a-zA-Z0-9.$\-]+@[a-zA-Z0-9.$\-]*)"   

    かりに見た目数行になっていても、本当は一行です。また、MS-Windows版のNetscape Navigatorで見ても行の末尾まで表示されるよう(スクロールバーに隠れずに)、このhtmlソースでは末尾の"の後に不要な空白を幾つか入れています。また、同じくこのソースでは>等はhtmlの文法に従って書き換えられています。ブラウザー画面からコピー&ペーストしてください。なお、Pattern6=行を書き換える際は、元の行をコメントとして残しておくとよいでしょう。行頭に;が付いている行は無視されます。なお、NetNews 上の元の記事では、Pattern2 に設定することになっていますが、1.6 へのバージョンアップに伴い、Pattern6 に変更されたようです。設定は引き継がれませんので、以前設定してあっても、新たに設定する必要があります。

    この正規表現はかならずしも完璧ではないそうなので、皆さんのフィードバックが待たれます。Message-idに_(アンダースコアー)が入っていると誤認するようです。(その後、稲垣氏が、fj.news.readerにアンダースコアに対応したものを投稿なさっています。)

    これで日本語記事でも、99gの目玉となるlaunching URLsの機能を使えます。Message-IDのlaunchingを満喫しましょう。

    記事文中<と>で囲まれたMessage-IDやそのURL表記をダブルクリックすれば、手もとのパソコンに貯め置かれている過去記事群からその記事を素早く検索してくることが出来ます。これは過去記事をMessage-IDで指示されたとき便利です。見当たらなかった場合はニュースサーバーに探しに行かせることが出来ます。(ただし、複数のリクエストを貯め込んで次のonline時にいちどきに取得処理することが出来ないのは惜しい。(Internet Explorerと組めば可能らしい...))

    探し出された記事は新しい子ウィンドウに表示させることも出来ます。「General Preferances」の「URLs」タブの下方「Open a new window in Agent to launch message-id URLs」。

    同じく「URLs」タブの「Make Agent the web browser service for」の「Usenet news」を有効にすると、Netscape Navigatorなどのブラウザー画面で出会ったMessage-IDに関して、それをクリックすると(ブラウザーは)ニュースサーバーでなくForte Agentに記事を探しに行くようになります。(その際手もとのForte Agent内に見当たらなかったならその場でサーバーにとりに行かせることが出来る。) ただしForte Agentが起動している必要があります。逆にForte Agent上のURLsからwebブラウザーが呼ばれる場合はwebブラウザーは自動的に起動されます。もしブラウザーが複数起動されてしまう場合は同「URLs」タブの「Force web browser to open a single Window」を有効に。

    Forte Agentの画面上ではなくテキストファイルなど別のソフトに書かれたMessage-IDで記事を検索したい場合は、新規記事のウィンドウを仮に開き、そこにペーストしてやればよい。

  3. インストール時、news groups一覧はWinVNなど幾つかの他のニュースリーダーから移入することが出来るので、新規インストールでまたあの長時間を(電話に)費やさずに済みます。また、未読既読の位置情報を.newsrc形式のファイルで随時読み込み書き出しできます(Forte Agent 99f以降)。これは自宅と会社/学校との両方で(ただし同じニュースサーバー相手に)ニュースを読んでいる人、しかも違うニュースリーダーを使っている人にはちょっと便利です。(ニュースサーバーが違うと記事番号が違うので役に立たない。)

  4. プログラムマネージャーなどに登録するときは実行時ディレクトリ(作業フォルダー)を忘れずに指定。そこに(agent.exeの所在とは別に)諸々のデータが置かれます。ひいては、実行時ディレクトリを分けることにより、使う人や接続先のサーバー毎に別々の利用環境を用意することが出来ます。なお、現行のAgentは一部の例外を除き各種の情報をレジストリは使わずに、(ユーザーの指定した)ディレクトリ内にファイルとしてしまいます。筆者はWindows95とWindows 3.1(win-os2)とを切り換えて使っていますが、実行ファイル以外全て共有してあっちで使ったりこっちで使ってりしています。(実はwin-os2で32-bit版Agentは動くので全て共有することもできることに最近気付いた。)

  5. 表示フォントを日本語に設定します。ただしその前にForte Agentを使っている人は出荷時の英語用設定を日本語に直しましたか?(別紙参照) ここでは表示フォントのことだけ触れます。

    まず、「Options」メニュー→「General Preferences」→「Languages」タブで、「Japanese」を「Add」します。その際「Based on」は「English」で構いません。ついで、並びの「Fonts」タブ(Forte Agentは「Display Preferences」の中)で適当な日本語フォントをそれぞれ割り当てます。末尾の「Use the valiable-pitch ...」を有効にします(さもないと記事作成時Subject欄の日本語が化ける)。筆者は全てを「FixedSys Bold」にしてます。ただしWindows95Jだとこれでは馬鹿でかいフォントになってしまうことがあるでしょう。これは他のソフトでもうっとうしいので、OS自体の設定を変えることが広く行なわれています(詳細)。ここのところは好みによります。

    最後に、「Group」メニューの「Default Propreties」→「Language」をいま加えた「Japanese」とします。なお、何かのはずみに各グループのこのLanguage設定が「Override default settings」に変わってしまうことがあるようです。突如日本語が読めなくなったり「文字化けしている」と言われたりしたときはそのグループの「Language」の値を見てください。

  6. offline readerとして使うには、先ず、「Options」メニューの「Preferances」(Forte Agentでは「User and System Profile」)から「Online Opperation」に行き、「Use Offline Default」を選びます。

    ここまではヘルプに書かれていますが、もう一つ、「Groups」メニューの「Default Properties」から「What to Purge」に行き、「Always get complete list of server's available messages」をuncheckedにすることも勧めます。さもないと、巡回時にサーバーにある全てのサブジェクト(購読グループの)を毎回取得しようとするので、ニュースの保存期間の長いとても恵まれたサーバーで使っている人は時間がかかります。

    もう一つ。Trumpet Winsockでautologin/logoutをしている人は、先の「Online Opperation」の「load winsock on program startup (and ...)」を無効にしないと不都合です。Agentを起動するとダイヤルアップを始めてします。

  7. Forte AgentではWinVNやGNUSなどと同様に、複数のnews groupsにまたがって投稿された記事(cross post)について、一度どこかで読んだら別のところでまた読まないようにできます(「Default Properties」→「Crossposts」→「Mark the header read」)。multi postに対してもかなりの割合で二度読みを避けられます。(同下部の「Detect croosposted messages by」を「Subject, author, date and lines」にした場合。) SPAM対策です。

  8. ニュースを読んでいると「この話の続きは是非とも忘れずに読みたい」ということはよくあるでしょう。それにぴったり応える「Watch Thread」という機能があります。watchしている記事にフォローが付いた場合、自動的に(本文を)読み込んでくれる──わざわざ「これは読む」と個別に毎回選ばなくても──というものでとても便利です(詳細)。(ただし日本語が絡むと必ずしもきれいにいかない。ただしこれはAgentの欠陥ではなくニュースサーバーの設定不良や日本語サブジェクトの規格不整合が原因。) 逆に「Ignore Thread」もあります。

    また、これらとは別に、事前に条件を与え、その条件を(サブジェクトや筆者が)満たす記事は自動的に取得する、あるいは逆に読まない、こともForte Agentでは可能です(watch/kill list)。

  9. 使っている内に色々確認を求める窓が出ますが、鬱陶しい場合は「General Preferances」の「Confirmations」タブで調整できます。筆者 楠は一番下の「Default action in confirmation dialogs is Yes」を有効にした上で、「Navigation」タブの「Skipping to next unread Group marks...」を無効にしています。

  10. メールの送受信も出来ますが、筆者楠は受信は設定も実際の受信も行ってません。(発信はSMTP/DeleGateを介して日本語メールを含め行っています。)

  11. subscribedの組(いわば巡回パターン)は現在は一組しか用意できませんが、Forte Agent 1.0では複数用意できるようになるそうです。(出来とらんじゃないか!> Forte)

  12. news groupsの並べ順序はForte Agent 1.0では任意に変更できるようになるそうです(出来とらんじゃないか!> Forte)。現状でもユーザー制作の「AGO」というツールを使うことで可能です。

  13. 本文取得マークその他、一度付けてしまったマークを消すには、同じキーないしボタンをその上でもう一度押します。

  14. 英文を投稿するときの注意。「Group」メニューの「Default Properties」が「Japanese」になっていると全てのグループに

    Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP
    Content-Transfer-Encoding: 7bit
    で投稿することになります。これは英文を投稿するには相応しくありません。英文の投稿をする際は記事作成ウィンドウの「Message」メニューの「Properties」で「English」を選ぶとよいでしょう()。あるいは、個別にグループのProperties(「Group」メニュー→「Properties」)で言語を英語にしてもよいでしょう。(Override default settings)

  15. MViewなど強制的日本語表示ソフトと一緒に使っていて、記事の各行がかすれて見える場合は、Agentの表示フォントをFixed Pitchにしてみてください。記事面上の右クリックで出てくるpop-up menuで変更できます。

  16. 新規記事を読み進むには、WinVNやGNUSなどと同様、スペースバーを叩いて行くだけで適切なスクロールと次の記事への移動を行ってくれます。(Free Agentは1.1で可能。)

  17. 32-bit版Agentはwin32sでも動きます。

  18. Nifty4U+を使うと普通のニュースリーダーでニフティーサーブを巡回できるようになるそうなので、そんな際にもForte Agentは強力でしょう。(ただし別途UNIX環境が必要。) Nifty4U+はFUNIXのライブラリー1にあります。もっともいまやニフティー環境の本命AirCraft97があるのでForte Agentの優位は疑問かもしれない。それどころかForte Agentは早々と淘汰されるかも。

  19. 韓国語を読み書きするにはYi, Yeong Deug氏の試みが参考になるでしょう。台湾なら中文BIG5のFree Agentが存在します。

  20. Forte AgentのサポートチームのLance Boehm氏によるunofficial Forte Agent Home page


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